東京外国語大学大学院・冬入試の対策

 

はじめに

この記事は、「東京外国語大学大学院 総合国際学研究科 言語文化コース 博士前期課程 冬季入試」の内容・対策について書いた記事です。筆者も2023年度の冬季募集で入学しました。ネットにあまり情報がないので、皆様の参考になれば幸いです!

 

言語文化コース・冬入試の概要

www.tufs.ac.jp

↑最新の募集要項をご確認ください。

試験内容:1次試験は英語読解&英作文、2次試験は面接

事前提出物:①論文(←!) ②研究計画書 など

1次試験の内容、過去問の入手方法

 まず1次試験は、英語読解&英作文です。2020年~2023年度の過去問は少なくとも、1つの英語長文がボンッと出されて、それに関する問題が5つほど英語で出題され、英語で答える、というものです。つまり全て英語!試験問題になっている英文は、ネットでも会員登録すれば読める英字新聞の記事です。文化系の記事、且、どの専門分野の受験生でもなんとな~く知っているような話題の記事が選ばれている気がします。(アンネフランク、黒人問題など)※具体的な新聞名は伏せます。

 過去問は一応インターネット上で見れますが、著作権の問題で肝心の長文の内容が隠されています。(博士前期課程募集 | 大学院入試情報 | 入試情報 | 東京外国語大学)入試課に事前に連絡して本部管理棟に行くと、その場で紙の状態で過去数年分の試験問題を閲覧できます。過去問を閲覧する際は、後で対策するために ①使用されている長文の元の記事は何か?、②問題の傍線部は長文のどこにひかれているのか? をメモして押さえておきましょう。①は、長文の一部をネットで検索すれば元の記事が出てきます。②は、頑張ってメモしましょう。

2次試験(面接試験)で聞かれたこと

 1次試験が終わると控室に通され、時間まで待ちます。時間が来たら、面接室の廊下に座って前の人が終わるのを待ちます。

 面接室は本当に小さい部屋で、机が間隔を空けて3×4入るかなくらいの大きさです。私の場合は面接官(先生)は3人でした。自分の専攻分野に関係ある先生や、出願の際に希望した指導官が割り当てられていると思います。

 質問内容は、「大学院で何を研究したいのか?」「将来どうするのか?博士までいくのか、就職か」がメインでした。あとは卒論の詳細だったり、研究計画の穴を突っ込まれたりしました。1人厳しめの先生がいて緊張しましたが、計画についてはアドバイスをいただけたので参考になりました。

1次試験の対策方法

 過去問を解いてもらえれば分かると思いますが、やはり ①英語長文を読んで要旨をつかむ力+②文章を理解するための単語力+③英語で回答する時の作文力 が必要です。

①長文に慣れる

 やりやすい方法でやってもらえればと思いますが、私は院試の過去問を2-3年分解きました。あとは、慣れるために過去問の出典元の英字新聞を何個か読んでみました。(でも、問題もないし、自分の読みがあっているのか不安になるのであまりおすすめはしません。)外大の大学入試も1年分やってみましたが、レベルが少し異なるし形式が違うので微妙でした;;

②単語を覚える

 院試で出題される文章は、やはり大学入試の文章とは単語の難しさが異なります。英語論文でよく出てくるような単語が出てきます。

 私は自分が持っていた単語帳では足りないなと思ったので、「院単」という単語帳を買い、5周ほど繰り返しました。出版年は2006年と古いですが、確かに英語論文で使われる頻出単語がまとめられており、とても役に立ちました。とはいえ基本語300語+必須単語1500語=計1800語、と全部覚えるのは大変なので、分からなかった箇所だけ繰り返したり、よく見かける単語に付箋を貼ったりして優先順位を決めていました。

 院試向け、院生向け、となるとなかなか良い単語帳が無いので、結構おすすめです!

 

③英作文

 英作文は正直、最低限の文法をおさえて、かつ書きたいことが書ければいいかなと思います。これも、本当に自分に合う参考書を選んでもらえればと思うのですが、使用していたものを一応紹介します。「竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本」です!

 「全部やるのは大変だし、5問回答するだけなのにそんなにイディオム必要ないよね!?」と思って、自分が回答する上で使いそうな言い回しを書き写して覚えました。私も参考程度に使用しただけなので、院単ほどはおすすめしません。

出願前の方へ:事前提出物の作成ポイント

 ※2024/1時点でこの記事を書いているので、今年度の出願は過ぎているのですが、次年度の方へ向けての注意です。

 冬入試は、①論文、②研究計画書 の提出があります。

①論文

 論文とは、募集要項から引用すると卒業論文、又はそれに準ずる参考論文(※注「それに準ずる参考論文」について…日本語で執筆する場合は、A4 用紙に 12,000 字(400 字詰め原稿用紙 30 枚)程度(若干の増を認める)で作成すること。また、外国語で執筆する場合は、A4 用紙で 15 枚程度とすること。 )。ただし、卒業論文と本学大学院での研究テーマが関連しない志願者は、新たに参考論文を執筆して提出すること」とあります。

 私はめっちゃ焦りました。なぜなら、冬入試の出願期間は12月上旬で、その時私は卒論を書き終わっていなかったからです!卒論提出日は1月中旬なので、〆切ぎりぎりまで執筆していました。

 そこで、私は「参考論文」という形で提出しました。12000字程度書けばよいとのことなので、卒論の序論と結論を先に完成させ、本論部分をいい感じにカットしました。先生方に見てもらうものなので、きちんと論理的に説明できているかを重視しました。  

 冬季入試の出願を考えている方は、くれぐれも期限に気を付けてくださいね。

②研究計画書

 世界言語社会専攻の場合、文字数は2000字で、「志望動機・研究テーマを簡潔に明示した上で、研究の対象、方法、準備・進捗状況、博士前期課程での研究展開の見通しなどについて、具体的に述べること。その際、先行研究・基本文献についても言及すること。なお、文中に日本語・英語以外の言語で書かれた文言を引用する場合は、和訳を付すこと」とあります。

 基本的にはこの通りに書けば大丈夫です。でも、テーマを考えるのに1週間以上は必要かなと思うので、院進を考えている方は早めに案をメモ帳などに書きだしておいた方が良いです。「卒論だって書き終えてないのに研究したいことなんて分からん!」と思うかもしれませんが、卒論を書く中で、更に調べてみたいと思ったこと、疑問に思ったこと、またはこの4年間の中でなんとなく疑問に思っていたこと、などを振り返ってみると良いです。

 ①も②も、時間と伝手があれば、先生や友人、先輩や家族などに読んでもらうと更に客観性をもった文章になります。

 

終わりに

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。院進を控えている皆さまも、検討中の皆さまにも参考になれば幸いです。

 

東京外国語大学 二次試験~当日の対策について

 受験シーズンなので、東京外国語大学の二次試験に対する勉強法・心構えを、自分の経験をもとに書きました。病んでもいいけど、第一志望を見据えて最後まで諦めないで頑張れ!ということが伝われば幸いです。

※私は2019年度入試だったので、今とは問題や対策法が違うと思います。そこは自分なりに解釈して対策してください。スピーキング試験、大変だと思いますがこの先も役立つと思うので頑張ってください~!

 

全般的な勉強法

 当たり前のことかもしれませんが、以下の3点が重要です。

①今までやってきた問題集を繰り返して定着させること

②二次試験の過去問をきちんとやること

③公式HPから採点基準を知ること

①今までやってきた問題集を繰り返す

 受験は長丁場なので、「本当にこの英単語帳で大丈夫なんだろうか」「世界史は…英単語は...」と、徐々に自分の知識量と勉強法に不安になってくると思います。不安になるのは別に良いのです、それだけ対策を頑張っているということなので。

 しかし、よく言われることですが、新しい問題集に手を出すのは危険です。新しい問題集の必要な箇所だけ重点的に学習して、きちんと頭にインプットし、本番でアウトプットできるならそれで良いのですが、私は上手くいきませんでした。

 今まで使ってきた単語帳・問題集・参考書を信じましょう。

 バイブルだと思って、試験会場にも持っていけば「自分はこれだけ頑張ったんだから大丈夫…」と不安が多少和らぎますしね。

②二次試験の過去問を解き、きちんと対策を練ろう

 これも言うまでもないことですが、過去問は何回も解いて、何がいけなかったのか、どこを改善できそうかよく考えましょう。よく考える、というのは、ただ解答を読み、赤ペンで答えを書き写して「フーン…」となるだけでなく、もしこれが本番で出たら…というくらい本気になって原因を突き止めよう、ということです。(説明が難しいですが)

 また、東京外大の英語は試験時間が長いですが、大問の数が多く、更にリスニング・英作も時間に含まれているので、時間配分や解く順番もあらかじめ余裕をもってシミュレーションしておくことが重要だと思います。本番は焦るので、5分~10分は全体の試験時間から差し引いて練習しておくと、まだ心の余裕が保てます

 あと、少なくとも赤本1冊、時間に余裕があり、かつ足りないと思ったら更に過去のものを解いてみるのも良いと思います。私も過去の赤本をメルカリか何かで購入し、10年分~15年分はやった記憶があります。でもリスニング問題や大問の答える形式が違った記憶があるので、「これはやらなくていいな」と思ったものについては、他のことに時間を割きました。

 私大の受験もありますし、「まあ自分はそこまで東京外大の英語に力を入れなくてもいいな」と思ったら、沢山やる必要はないです。各々の勉強状況を考慮してください。

③公式HPから採点基準を見てみよう

 知ってるよ!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一応紹介です。東京外国語大学の公式HPに、過去問題、正解・解答例が載っています。公式が出しているものですので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

www.tufs.ac.jp

 

メンタルの保ち方

①試験日までのメンタル

 メンタルの保ち方、と言っておきながら私は全く保てていませんでした。勉強が手につかず、Youtubeを見て横になる日もありました。

 その中でもマシだったことは、「大学生になったらやりたいことを妄想すること」です。楽しい妄想をしましょう。そしてそれは、「自分がなぜこの大学に入りたいと思ったのか、その初心を思い出すこと」にも繋がります。

 例えば、好きな洋楽を聴くのでもいいし、好きな外国の俳優のインスタを見るのでもいいし、本当に何でもいいです。人によって様々だと思いますが、少しでも自分が前向きになれることなら良いと思います。

②試験当日のメンタル

 私が尊敬していた、高校の英語の先生の受け売りなのですが、「最後の一秒まで諦めない!」ことが重要です。熱血すぎて暑苦しいな…と思われるかもしれませんが、本当に最後の数秒で選択した問題が正解しているかもしれないし、反対に間違いを直せるかもしれないし、記述問題を一語でも長く付け足せるかもしれません

 本番の試験を受けている時だけでもいいので、そう思い込みましょう。

 特に、東京外大の記述試験は、英語も世界史も書けば点数をもらえる気がします。時間があるなら、白紙で出すより埋めて出した方が後で後悔も少ないのではないかと思います。

 落ちても我が受験に一生の後悔なし!!!と思えるくらい、本番、最後の最後まで意識を絶やさずにシャーペンを握って頑張れたら、それだけで万々歳です。

そう自分が思えるためにも、当日まで精いっぱい頑張ってください。

これは絶対やらないで!ということ

 ズバリ、「ネットの掲示板の他人の書き込みを見て、受からないかも…と落ち込むこと」です。

 外大の二次試験は2月25日ですが、その前に私大の試験がありました。私は共通テストが上手くいかなかったことを引きずっており、私大の対策もそこまでしていなかったので、「どうせ私大はダメなんだ…私は文転だし…わんちゃん補欠合格だったらいい方だな…」と超弱気になっていました。

 病みまくり、どうせ受からないし…と思ってしまって慶応義塾大学や立教大学の受験の休憩時間、スマホで受験生の掲示板を見ていました。恐ろしいことに、当日受験している受験生が、試験が終わった後の時間にその科目の出来について書き込みをしているのです。書き込みにきている人は大体その大学のガチ勢、かつ余裕がある人で、「この問題の答えってーって書いちゃったけどこうだよね?」と、おそらく彼らはほぼ全問正解で、彼らが不安なその一問の正答について、議論しているのです。

時間の無駄です。本当に。

 私大の受験が終わった後も、掲示板に書き込みをしていた受験者たちのその後(合格している姿)が目に浮かんで、自分と比較して落ち込みました。

 他人は他人、自分は自分です。人の試験状況を把握しても、自分の成績が上がるわけではないし、むしろあれこれ気にしてしまって傷つくだけです

少しでも自分の合格可能性が上がることをしましょう。

試験日当日の思い出

①雪と遅延

 寒いです。冬真っ只中です。雪も降る可能性があります。2019年は、確か雪が降っていて、JR中央線が遅延していたと思います。母と一緒に向かっていた私も、電車が遅れたら大変だと思って、どこかの駅からか雪の中を歩いて外大に向かった記憶があります。

(2次試験受験生ら直撃 JR中央・総武線一時見合わせ:朝日新聞デジタル)

 結局試験は1時間遅れでスタートすることになったのですが、心の余裕のためにも早めに、そしてもし交通機関が止まってしまった時の別ルートも考えておいた方がいいです。

②試験教室の雰囲気

 どの教室かにもよりますが、総じて外大の教室はそんなに広くないです。ビッグな私大の大教室を想像していると拍子抜けしてしまうと思います。イメージは、高校の1教室分~2教室分くらいの大きさです。

 校舎は寒いけれど、教室はそこそこ暖房が効いていた気がします。

 私が外大に夢を見すぎだったからかもしれませんが、試験官の先生方も、偉い人なんだろうけど穏やかなんだろうなという雰囲気があって、高校のような教室の狭さと相まって、ピリピリせず、少しリラックスできました。

③回答用紙の大きさ

 回答用紙は意外と大きいです。少しびっくりしました。外大の机の奥行(縦の長さ)は、高校で使う勉強机とほぼ同じ長さなのですが、それを10センチ以上はオーバーするくらい、回答用紙は縦に長いです。まあ記述問題があるので、文字が十分にかけるくらいの大きさだと思えば大丈夫です。

おわりに

 以上、東京外国語大学の二次試験までの勉強法、メンタルの保ち方、当日のことについて書きました。少しでも受験生の皆さんの参考になれば幸いです。

応援してます!!!!!!!

東京外国語大学の出願を迷っている方へ

東京外国語大学の出願を迷っている方へ

 

この記事は、共通テストを終えて、東京外国語大学の出願を迷っている方に向けた記事になります。入学したい気持ちがあるなら最後まで頑張って欲しい!という思いを込めました。自分の経験をできる限り書いたので、皆様の参考になれば幸いです。

(1/23夜追記しました)

 

はじめに

 私は東京外国語大学に2019年に現役で入学した、言語文化学部4年生の者です。専攻は南アジア地域です。

 当時は、東京外国語大学(以下東外大)の二次試験で英語のスピーキング試験がありませんでした。また、一次試験にあたる共通テストも「大学入試センター試験」という名称で、内容も多少変化していると思います。

 ですので、それぞれの試験の難易度が今と私の時代では異なると思います。そのことを念頭にお読みください。

 

志望理由 ※長いので時間がない方はとばしてください。

 高校2年生の秋、友人に「世界の色んな料理が食べられるよ!」と誘われ一緒に外語祭に行きました。それまで私は理系の生物選択で、情報系の大学を目指していましたが、世界史の先生が案内してくれるというのもあって、興味本位でついて行きました。 

 しかし、円形広場にバアーッと並ぶ料理店、講義棟の2・3階から垂らされている様々な語科の催し、先輩の楽しそうな学生生活の話…などなど、それまで東外大がどんなものか全く知らなかった私は、一日で魅了されてしまいました。

 具体的に述べると、「この大学ならば世界の様々な言語、文化をもっと学ぶことができる!絶対入ったら楽しいだろう!」と道が開けたからです。元々理系の身でありながら世界史Aが好きでした。歴史や世界文学、クラシック音楽、西洋美術など、文化的なものが昔から好きだったので、世界史はかなり楽しかったです。また、英語も得意というほどではありませんでしたが、先生の指導が熱心だったのと、高校の多読の宿題をする中で「外国語を読んで理解することで、日本語という枠を超えて新たな世界を知ることができるなんて、なんて素晴らしいことなんだ!」と感じ、勉強にも熱が入りました。

 理系選択だったのも、「ロボットとかスマホとか最新の機械好きだし、情報系に進めば就職にも有利だろう」という安易な考えからで、数学・生物は微妙、化学は壊滅的な成績でした。

 そんな中、言語を通じて世界各国の文化一般を学び、理解を深めるという東外大は、本来の私が一番学びたかったことと一致していました。歴史、文学、音楽、美術、外国語…etc.自分が趣味として好きだったものを大学で学問としてきちんと学べること、が魅力的でした。

 翌年2018年2月まで理系の勉強つらいなぁ~と思いながら東外大に対する憧れを引きずり、バレンタインあたりに理系から文系に変更しました。もちろん第一志望は東京外国語大学です。

一次試験前の志望語科

 東京外国語大学には学部が3つあります。(言語文化学部、国際社会学部、国際日本学部)

 さらに言語文化学部、国際社会学部の中で、27の言語の専攻、いわゆる語科に分かれます。なので、受験生は学部と語科の志望順位を決める必要があります。

 本番の出願時には学部を選択し、例えば言語文化学部ならば志望地域と、その中での言語の志望順位を3つ書きます。(南アジア地域を選択した場合、1位ウルドゥー語 2位ベンガル語 3位ヒンディー語、という感じです。)

※2019年度入試の記憶なので、最新のものを確認してください。

 

 私は言語と文化を学びたい、という思いがあったので、当初から言語文化学部を志望していました。また、文転当初はフランス語志望でした。なぜなら、親族で昔フランス語をやっている人がいたのと、当時フランス革命が好きで好きでしょうがなかったからです。

 しかし、年によって語科の倍率は変化します。時流の変化や、偶然志望者が多い場合もあります。また、元々志望者の多い語科(倍率が一定して多い言語、ボーダーラインが一定して高い言語)も存在します。

 高校3年生の夏あたりから、フランス語は自分の成績では無理そうだと思い、中央ヨーロッパ地域のポーランド語、チェコ語を志望し始めました。ドイツやフランスも面白そうだけど、地理的に近くて、かつ他の大学にはない言語をやるのもいいなと思ったのと、文化的に私が好きなものがあって面白そうだと思ったからです。

 秋頃からは、徐々に現実的に考えるようになったのと、自分は文系の中でも一年勉強が遅れているという負い目から、何の言語でもいいから真面目に勉強してその分野で一発花を咲かせるのもアリだと思い、「せっかくならこの大学でしかできない言語をやろう、どの言語もそれを使用して生きている人がいるんだから面白いじゃないか」という気持ちも芽生えてきました。そこで東南アジア、南アジアの言語も候補として考えるようになりました。

悲惨な共通一次試験

 センター試験は悲惨でした。知り合いにばれたら恥ずかしいですが、時効だと思うので点数を開示します。ドン!

※汚くてすみませんm(__)mこれは大学入試センターにお金を払って、公式に成績開示してもらったものです。4月ごろに送られてくるので、受験時にはわかりません。画像の点数を東外大用に換算すると、342/450になります。

 事故採点は画像のものより少し低くて、英語が161点、数1Aが64点でした。東外大の換算では、339/450です。75.3%ですね。(85%とるつもりだったのに…)判定も中央ヨーロッパ、南アジア、東南アジアの言語全てD判定かE判定でした。ワオ。

河合塾 よく見るとウルドゥー語はギリギリ定員内です

データネット 輝くE判定 バンザイシステムも出しましたが破り捨てました

 

自己採点後、東外大に出願を決めた理由

 判定はボロボロだし、先生には「この英語の点数だと二次試験も無理だから他の国立にしろ」と言われて、泣きながら電車で帰りました。というのも、一次試験でこの点数は、過去のデータからして合格者最低点かそれ以下だからです。

 ですが、

・そもそも国立大学に拘っているわけではない、ただ言語と文化が学びたいだけ。

・語科ももう拘っている場合じゃない。なんの言語でもいいから自分が憧れた大学に入学したい。

・二次試験は二科目だし、配点も400点だから、東外大に集中して頑張れば逆転できそう。

と思いました。

 実際、二次試験の過去問はそこそこやっていました。むしろ一次試験は早く・多く・正確に解く問題だったので、二次試験のようにじっくり考えて文章で答える方が得意な私は、一次試験が苦手でした。対策も正直おろそかになっていたかもしれません。

 泣きまくり、過去の入試データと判定結果に載っている志願者の分布図を見比べた結果、ある極論にたどり着きました。それは、「定員の最後の一人に潜り込めればいいんだ」「過去のデータからの判定なんて覆せる」「いやむしろ俺がそうなってやる!!!」ということです。

 要は「最悪、自分が合格者最低点で入学してやる!!!!!」と思えばいいのです。勿論点数は高い方がいいですけどね。

出願する際の語科選び

 いよいよ出願するとなった時、言語文化学部なら志望地域と、その中の言語の志望順位を書く必要があります。ここで私が重視したのは、以下の二点です。

①成績面において、スレスレでもいいから合格できそうか。

②入学後、その語科でいいと思えるか。

 

①成績面において合格できそうか

 塾が出した判定結果のプリントと、東外大の公式HPから過去の入試情報を見ることが重要です。例えば、判定結果のプリントに関しては、判定に目が行きがちですが、「分布図のどこに自分が位置しているのか、定員に対し自分は何人目で、あと何点で上の点数の人を追い越せそうか、定員に滑り込めそうか」が重要だと思います。

 過去の入試情報に関しては、志望する学部・語科の前の年の一次・二次試験の最低点・最高点、合格者数、倍率などを見ました。忘れてしまいましたが、当時めっちゃ鉛筆で印をつけて、どこなら入れそうか真剣に考えました。

 私の予想ですが、例えば前年倍率が5倍近い地域だったら翌年みんな避けそうだなとか、今年はあの国のニュースが話題になったから増えそうだな、とかそういうことも込みで考えました。

 

②入学後の自分を想像する

 言語文化学部なら、最低3年間その言語とつきあうことになります。途中で専攻言語の変更はできません。(専攻言語以外に、他の言語を学びたい場合は沢山授業があります。ですが、専攻語は必修科目といって、合計28個授業をとらないと卒業できません。)よって、地域・言語選びは重要です。

 正直、一次試験を終えた私は「とりあえずこの大学に入りたい、私は色んな文化に興味があるしどの言語でも何かしら面白いものはあるだろう」という考えだったので、地域や言語にこだわりはありませんでした。

 

(1/23追記)

「どの言語にも何かしら面白いものがあるだろう」というのは間違いではないと思うのですが、裏返して言えば成績的にそう思わざるをえなかったのと、私が何でもいいから外大に入りたいという考えだったからです。勿論自分の好きなもの、興味のあるものの方が長続きするとは思います…。

 

そこで、以下の2点を調べました。

・言語自体の特性、その言語が話されている国の情報

・語科の雰囲気、授業・課題の量

 ここで役立つのが、外語祭実行委員会が発行している雑誌「たふまにゅ」です。これは、毎年11月に開催される文化祭(外語祭)で、紙媒体で無料でゲットすることができます。ネットでも閲覧できます!(検索したらでてくるので多分合法です。外実委員さんがもしこの記事を見てくださっていたら、ぜひホームページに過去のものもリンク集に一覧で載せてください。需要あると思います。)Google Chromeで、「たふまにゅ 年度(例:2021)」と検索すると、上の方にPDFの形式で表示されます。

 そこに載っている、「語科紹介」のページがかなり有益です。1年生が自分の語科の紹介文を書いており、例えば話者人口であったり、言語の好きな点であったりが載っています。短い文章で簡潔にまとめられているので、色々な言語が比較できて便利です。

 加えて、2022年度のものには記載がなかったのですが、直近だと第98回外語祭のもの(「たふまにゅ 2021」と検索すると出てきます)には、「授業の厳しさ、課題の量、語科の雰囲気」に関して、楽~鬼の五段階評価が載っています。これを見ると、その語科の授業や雰囲気がなんとなくわかり、自分に合うのか想像することができます。是非見てみてください!

 恥ずかしいのと、皆さん自身で考えてほしいので経緯はまた別の記事に書こうかなと思うのですが、最終的に私は南アジア地域、第一志望はウルドゥー語にしました。

(1/23追記)因みにウルドゥー語科に進んだことに後悔は無く、4年間楽しく過ごせました。ですが、1年生の夏頃まであまりやる気が出なかったのも事実です。どの地域・言語でもやってるうちに夢中になれるものが出てくるとは思いますが、やはり語科選びは様々なことを考慮した方が良いです。

まとめ ー出願する際に大事なことー

①志望度

・自分が大学で何を学びたいのか、その大学でそれを学べそうか。

・その大学で4年間楽しく過ごせそうか。

・受験勉強を始めた時、自分は何が良いと思ってその大学を選んだのか。(初心を思い出す)

②成績

・一次試験が思うようにいかなくても、二次試験の結果で頑張れば合格できそうか。

・二次試験まで対策を頑張れるか。

 

 学校や塾の先生、両親、友達、ネットの情報など、様々な意見があり、出願を迷ってしまうこともあると思います。ですが、大学に入学して、4年間学ぶのはあなた自身です。だから、最終的には自分で判断して欲しいです。

 私もこの記事を通して、無理に出願を勧めているわけではありません。志望理由、学びたいこと、成績、周りの意見など、人によって様々だと思います。

ただ、入りたい気持ちがあるなら最後まで頑張って欲しい、ということです。

全ての受験生に、幸あれーーー。