東京外国語大学大学院・冬入試の対策

 

はじめに

この記事は、「東京外国語大学大学院 総合国際学研究科 言語文化コース 博士前期課程 冬季入試」の内容・対策について書いた記事です。筆者も2023年度の冬季募集で入学しました。ネットにあまり情報がないので、皆様の参考になれば幸いです!

 

言語文化コース・冬入試の概要

www.tufs.ac.jp

↑最新の募集要項をご確認ください。

試験内容:1次試験は英語読解&英作文、2次試験は面接

事前提出物:①論文(←!) ②研究計画書 など

1次試験の内容、過去問の入手方法

 まず1次試験は、英語読解&英作文です。2020年~2023年度の過去問は少なくとも、1つの英語長文がボンッと出されて、それに関する問題が5つほど英語で出題され、英語で答える、というものです。つまり全て英語!試験問題になっている英文は、ネットでも会員登録すれば読める英字新聞の記事です。文化系の記事、且、どの専門分野の受験生でもなんとな~く知っているような話題の記事が選ばれている気がします。(アンネフランク、黒人問題など)※具体的な新聞名は伏せます。

 過去問は一応インターネット上で見れますが、著作権の問題で肝心の長文の内容が隠されています。(博士前期課程募集 | 大学院入試情報 | 入試情報 | 東京外国語大学)入試課に事前に連絡して本部管理棟に行くと、その場で紙の状態で過去数年分の試験問題を閲覧できます。過去問を閲覧する際は、後で対策するために ①使用されている長文の元の記事は何か?、②問題の傍線部は長文のどこにひかれているのか? をメモして押さえておきましょう。①は、長文の一部をネットで検索すれば元の記事が出てきます。②は、頑張ってメモしましょう。

2次試験(面接試験)で聞かれたこと

 1次試験が終わると控室に通され、時間まで待ちます。時間が来たら、面接室の廊下に座って前の人が終わるのを待ちます。

 面接室は本当に小さい部屋で、机が間隔を空けて3×4入るかなくらいの大きさです。私の場合は面接官(先生)は3人でした。自分の専攻分野に関係ある先生や、出願の際に希望した指導官が割り当てられていると思います。

 質問内容は、「大学院で何を研究したいのか?」「将来どうするのか?博士までいくのか、就職か」がメインでした。あとは卒論の詳細だったり、研究計画の穴を突っ込まれたりしました。1人厳しめの先生がいて緊張しましたが、計画についてはアドバイスをいただけたので参考になりました。

1次試験の対策方法

 過去問を解いてもらえれば分かると思いますが、やはり ①英語長文を読んで要旨をつかむ力+②文章を理解するための単語力+③英語で回答する時の作文力 が必要です。

①長文に慣れる

 やりやすい方法でやってもらえればと思いますが、私は院試の過去問を2-3年分解きました。あとは、慣れるために過去問の出典元の英字新聞を何個か読んでみました。(でも、問題もないし、自分の読みがあっているのか不安になるのであまりおすすめはしません。)外大の大学入試も1年分やってみましたが、レベルが少し異なるし形式が違うので微妙でした;;

②単語を覚える

 院試で出題される文章は、やはり大学入試の文章とは単語の難しさが異なります。英語論文でよく出てくるような単語が出てきます。

 私は自分が持っていた単語帳では足りないなと思ったので、「院単」という単語帳を買い、5周ほど繰り返しました。出版年は2006年と古いですが、確かに英語論文で使われる頻出単語がまとめられており、とても役に立ちました。とはいえ基本語300語+必須単語1500語=計1800語、と全部覚えるのは大変なので、分からなかった箇所だけ繰り返したり、よく見かける単語に付箋を貼ったりして優先順位を決めていました。

 院試向け、院生向け、となるとなかなか良い単語帳が無いので、結構おすすめです!

 

③英作文

 英作文は正直、最低限の文法をおさえて、かつ書きたいことが書ければいいかなと思います。これも、本当に自分に合う参考書を選んでもらえればと思うのですが、使用していたものを一応紹介します。「竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本」です!

 「全部やるのは大変だし、5問回答するだけなのにそんなにイディオム必要ないよね!?」と思って、自分が回答する上で使いそうな言い回しを書き写して覚えました。私も参考程度に使用しただけなので、院単ほどはおすすめしません。

出願前の方へ:事前提出物の作成ポイント

 ※2024/1時点でこの記事を書いているので、今年度の出願は過ぎているのですが、次年度の方へ向けての注意です。

 冬入試は、①論文、②研究計画書 の提出があります。

①論文

 論文とは、募集要項から引用すると卒業論文、又はそれに準ずる参考論文(※注「それに準ずる参考論文」について…日本語で執筆する場合は、A4 用紙に 12,000 字(400 字詰め原稿用紙 30 枚)程度(若干の増を認める)で作成すること。また、外国語で執筆する場合は、A4 用紙で 15 枚程度とすること。 )。ただし、卒業論文と本学大学院での研究テーマが関連しない志願者は、新たに参考論文を執筆して提出すること」とあります。

 私はめっちゃ焦りました。なぜなら、冬入試の出願期間は12月上旬で、その時私は卒論を書き終わっていなかったからです!卒論提出日は1月中旬なので、〆切ぎりぎりまで執筆していました。

 そこで、私は「参考論文」という形で提出しました。12000字程度書けばよいとのことなので、卒論の序論と結論を先に完成させ、本論部分をいい感じにカットしました。先生方に見てもらうものなので、きちんと論理的に説明できているかを重視しました。  

 冬季入試の出願を考えている方は、くれぐれも期限に気を付けてくださいね。

②研究計画書

 世界言語社会専攻の場合、文字数は2000字で、「志望動機・研究テーマを簡潔に明示した上で、研究の対象、方法、準備・進捗状況、博士前期課程での研究展開の見通しなどについて、具体的に述べること。その際、先行研究・基本文献についても言及すること。なお、文中に日本語・英語以外の言語で書かれた文言を引用する場合は、和訳を付すこと」とあります。

 基本的にはこの通りに書けば大丈夫です。でも、テーマを考えるのに1週間以上は必要かなと思うので、院進を考えている方は早めに案をメモ帳などに書きだしておいた方が良いです。「卒論だって書き終えてないのに研究したいことなんて分からん!」と思うかもしれませんが、卒論を書く中で、更に調べてみたいと思ったこと、疑問に思ったこと、またはこの4年間の中でなんとなく疑問に思っていたこと、などを振り返ってみると良いです。

 ①も②も、時間と伝手があれば、先生や友人、先輩や家族などに読んでもらうと更に客観性をもった文章になります。

 

終わりに

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。院進を控えている皆さまも、検討中の皆さまにも参考になれば幸いです。